夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

ジェイクをさがして/チャイナ・ミエヴィル

2024年あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。
昨年はのんびりと更新していました。今年も多分そうなります。自分の仕事の形態が変わってしまったので、仕事が忙しいことは良いことなのですが、その分読書数が減ってきました。老眼もじわりと進んできて、「これか!これが先人たちが若いうちに本を読んどけっと言っていた理由は!」と身に沁みています(なんか同じこと何回も書いている気がする)。でも積読山の中にまだ見ぬ景色が待っているので楽しみです。

年末に読み終えた本はチャイナ・ミエヴェルの短編集『ジェイクをさがして』。ミエヴェルの近影が、まあかっこいい。惚れちゃいますね。SFというよりは怪奇小説、ダークファンタジー。途中で話が強制終了し、後のことは想像にまかせた!と結末を読者に委ねるパターンが多々ですが、ゾクゾクした余韻が残るのが良かった。以降は読書メモ。

 

◾️ジェイクをさがして

退廃したロンドンでジェイクを探す話。一人称でジェイクに語りかける形で進む。ホラー系のゲームのオープニングみたい。

 

◼︎基礎

一部は実話っていうのが一番怖い

 

◾️ボールルーム

ホラー短編。幽霊が消えた跡には床が濡れているのが日本っぽい。

 

◾️ロンドンにおける"ある出来事"の報告

神出鬼没のヴァーマン通りの話。濃霧につつまれたロンドンの街をイメージしながら読みました。

 

◾️使い魔

魔法使いから破棄された使い魔が、ロンドン中を巡り様々なモノを吸収して成長していく話

 

◾️ある医学百科事典の一項目

これは異常論文ですね。

 

◾️細部に宿るもの

壁のシミが人の顔に見える「バレイドリア現象」をホラー寄りにした話。

◾️仲介者
◾️もうひとつの空

アンティークショップで買ってきた窓を部屋に取り付けたら…というお話。異界への扉。

◾️飢餓の終わり

慈善団体を馬鹿にした者への報復の話。タイムリーで怖い。

◾️あの季節がやってきた

まさにクリスマスに読んでいたので笑いました。TMマーク!唯一のコメディっちくなお話。

◾️ジャック

悲しき人造人間。もっと続きが読みたい。

◾️鏡

ローカス賞の中編。鏡の中に別の世界があり、ある日そこから○○が出てきて大殺戮が始まる…というお話。ゾンビなの?吸血鬼なの?ボルヘスを読めばわかるのかな。

 

◾️前線へ向かう道

最後は劇画。雰囲気を楽しむマンガ。