夜空と陸とのすきま

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スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選/山岸 真編

スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

未知の生命体とのファーストコンタクトSF傑作選の次は、進化を遂げた人類のポストヒューマンSF傑作選にチャレンジ。AI・ナノマシン・クローン・仮想現実・バイオテクノロジーと次々と登場する科学技術に振り回される人類、あんまり幸せそうじゃないじゃんというのが全体を読み終えた感想です。ハイテク時代の愛の形といわれても、ロマンチックなことですなぁと冷めた目で読んでました…。どうした私。ステイホーム疲れなんだよ、きっと。

 

■死がふたりをわかつまで/ジェフリー・A・ランディス
先日、ランディスの長編作『火星縦断』を古本屋で入手したので読むのが楽しみだ。
6ページの超短編。クローンの男女が数十億年も出会いを繰り返すお話、終わりがないのもしんどいね。

■技術の結晶/ロバート・チャールズ・ウィルスン
夫婦のうち片方がサイボーグ化しても、片方がそのままで老いていくのはしんどいよね。夫がサイボーグになっちゃって、妻のシワがよく見えるようになりびっくりしたとか生々しい。

■グリーンのクリーム/マイクル・G・コーニイ
遠隔操作ロボットのお話。コロナ禍でzoom会議が大流行の今読むと楽しい。1971年にここまで遠隔体社会を創造できたとは恐るべし。

■引き潮/メアリ・スーン・リー
ポストヒューマンSFって、人間とは何かを問う内容が多くて哲学的で答が導き出せない。これは怖いなと感じた短編。

■脱ぎ捨てられた男/ロバート・J・ソウヤー
人間の体を捨てて、ロボット化して永遠の命を求めた男。旧人体に訴えられるという話。オチも含めて後味が悪い。

■スティーヴ・フィーヴァー/グレッグ・イーガン
アンソロジー集の表題はイーガンの短編。イーガン2度目の読書体験、途中まで理解出来ていたのに後半突然話を見失う。ゆるいSF脳ではイーガンわからん。主人公のおばあちゃんが渋くてかっこいい。

■ウェディング・アルバム/デイヴィッド・マルセク
アンとベンジャミンのコピーがたくさん出てきて、ちょっとまって!今はどのアンがしゃべってんの?とわけがわからなくなる。戯曲形式だと良かったのに。

■見せかけの生命/ブライアン・W・オールディス
いつまでもぐじぐじ思い出にひたってんじゃねぇ、大事なのはライブなんだよライブ!という感想。