さてさて、今回はスチームパンクの名作と謳われる『ディファレンス・エンジン』を手に取りました。十三不塔の『ヴィンダウス・エンジン』、伊藤計劃の『The Indifference Engine』と読んできて、ようやくご本家にたどり着きました。
派生本も多いから影響力があって面白いんだろうなとワクワクしながら読み始めたのですが、ギブスンとスターリングの合作に黒丸尚のスタイリッシュな翻訳がどうにもこうにも読みにくく、寝落ちしながらなんとか下巻まで。
下巻の後半になって巻末に「差分辞典」なる付録を見つけて、ここに詳細な解説があるんじゃん!と気が付いたものの、いまさら「固有名詞がよくわからん」と読み飛ばした上巻を読み返す気力も起きず。
1855年のネオビクトリア朝ロンドンやパラレルアメリカ大陸が舞台。蒸気機関が異様に発達し、コンピューターも蒸気で動かす歴史改変SF。蒸気蒸気なのでロンドンの気候も変化していて泥まみれ。とても不潔でたまにエロい。
革命家の娘で娼婦のシビルの物語、恐竜学者マロニーの冒険奇譚(かなりエンタメ)と続いて、英国スパイのオリファントと主人公を変えつつ世界を飛び回り、モーダスとは何ぞやと謎に迫る。レイヤーがいくつも張り巡らされ、凝った作りに感心はします。ようわからんけど世界観が魅力的なところは、士郎正宗の漫画に似ている気がする。カルトな人気作品は、一度読んだだけでは把握できないほど難解で世界観が独特じゃなきゃダメなんだろうなと思いました。





