郝 景芳(ハオ・ジンファン)による人工知能(AI)をテーマにした短編集。
初めにAIについて推察するエッセイ、そこで説明してきたことを軸に生まれた物語達。AIを受け入れて、共に歩んでいく未来が見えるような気がしました。
■スーパー人工知能まであとどのくらい
人工知能についてのエッセイ。ものすごくわかりやすかったし、AIの進化に怯えるな、私たちの精神世界は素晴らしいから自信を持てと励まされた感じ。
■人工知能の時代にいかに学ぶか
このエッセイ、子育ての始まりに読みたかったなあ。いまからでも遅くないかしら。人間性、創造性を大事に育んで、文科省の人に読んでもらいたい。これからのビジョンを持てる。
■あなたはどこに
AIには人の衝動的行動と負の感情が理解できないという特徴を含んだ、カップルすれ違いのお話。
■不死医院
病院で亡くなったはずの母が、和かに笑って家にいるホラーっぽい展開のお話。家族のすれ違い、人間性とは何かを問う。
■愛の問題
これも家族のすれ違いを描く作品。「不死医院」同様にAIが間に入ると素直に和解していく家族。ミステリーな謎解き風も面白い。
■人間の島
全知全能の神として、AIに全てを託してしまってそれで幸せかい?というお話。AIには創造性がないんですね。
■乾坤と亜力
『2010年代海外SF傑作選』にも掲載されていたのですが、AIのエッセイを読んだ後だと、AIの特徴をこんな感じに物語にするのかと感心しました。3歳半の亜力君が可愛いのです。