夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

宇宙SFコレクション1 スペースマン/R・ブラッドベリ他

1冊読み終えるのに、1ヶ月どころか2ヶ月もかかってしまったのです。みんな人手不足の職場が悪いのです。2ヶ月も前だと読んだ内容も忘れてしまうがな…備忘録ブログなのに困ったものです。

もう一つ愚痴ですが、各社の夏休み向け文庫フェア。毎年楽しみにフリー冊子をもらってきて眺めていますが、SFどころか海外文学のセレクトが少なすぎませんか⁈そんなにSFって人気ないのかなぁとぼやいたら、「SFって表紙がダサいし」ってティーンズの娘が言うんですよ。悲しみ。

この『宇宙SFコレクション1 スペースマン』は、新潮文庫で昭和の出版。昔はたくさん海外SFを文庫で出していたのねキュンタ。

 

■だれだ? 犬の星 アーサー・C・クラーク

クラークのショート・ショート2編は、宇宙ステーションの犬と猫の物語。犬と猫への愛に満ち溢れていて、こういうのも書くんだなぁと珍しかった。アンソロジーにこれを選出したセンス素敵。

 

■わが名はジョー ポール・アンダーソン

衛星から木星にいる生物学的機械を操っていたら、感情移入しすぎて…という話。ジェームズ・キャメロンの映画『アバター』そっくりでびっくりした。1957年作

 

■いこいのみぎわ レスター・デル・レイ

現役引退間際だけれど、まだまだワシらはやるけん!まだ船は動けるんじゃけぇ!という、頑張るおじいちゃんの話。ノスタルジックでハートフルなSF。

 

■プロ エドモンド・ハミルトン

SF作家の息子が宇宙飛行士になり、ロケットに乗って宇宙へ。その時、父の心境はいかに…という話。自身のSF作品に感化されて、宇宙を目指す次世代の若者に、嬉しくもあり命懸けの仕事につかせた心苦しさもありと、複雑な心境をきめ細やかに書いています。ハミルトンの晩年はこんな気持ちだったんだと思うと奥深い。

 

■空間の大海に帆をかける船 バリントン・J・ベイリー

たとえば宇宙空間の真空が固体だったら、水だったら…から発想したSF。よくわからないけどちゃんと物語になっているベイリーの力技。どこかで読んだ?と思ったら、早川文庫の『ゴッド・ガン』に収録されていた。

 

■バースデイ フレッド・セイバーベーゲン

遥か彼方の恒星に行くために、人工冬眠と世代交代を繰り返しながら宇宙を旅する宇宙船の話。閉じられた社会、歪な人間関係からのオチに痺れました!面白かった!この本は読んだらまた古本市に出そうと思っていたけど、『バースデイ』が中々の逸品なので、どうしようかな。