夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

はい、チーズ/カート・ヴォネガット

今年も河出文庫がグランドフェアをやっていて、2冊買うとブックカバーがもらえる!っていうんで購入(フェアは9月末まで)。市の図書館にヴォネガット短篇集があるんだよなーと思いつつ。でも円城 塔氏の文庫版解説が入っていたから良し。あいかわらず円城氏らしい意表をつく視点で解説されていて、面白い事考える方だなと感服しました。本編もガチSFではなく、なんとなくSF風味ですが、ヴォネガット作品はどれもラストのセリフが痺れる。

 

■FUBAR

会社の体育館地下という隔離されたオフィスで閑職の男の元に、新人社員が配属されてくる話。フランシーヌが本当にいい子でほんわかする。

 

■ヒポクリッツ・ジャンクション

夫婦喧嘩の最中に訪問販売に来てしまったセールスマンの話。コミカルで面白い。急にお金持ちになってセレブになると色々大変ね。

 

エド・ルービーの会員制クラブ

仲良し夫婦でちょっと奮発してレストランに行っただけなのに…そんな「スマホを落としただけなのに」的な状況から事件に巻き込まれて冤罪をかけられる話。大変痛快に解決するので良き。

 

■ナイス・リトル・ピープル

ペーパーナイフ型の宇宙船に乗ったミニマム宇宙人が出てくるからSFなんだろうけど、そりゃないぜっていうブラックなオチ。ナイスなの⁈

 

■はい、チーズ

バーのカウンター席で酒を飲みながら愚痴っていたら、顔写真を撮られて…という話。喪黒福造に騙されたような。表題作で、表紙絵もこんなに可愛い絵柄の本なのに、笑ゥせぇるすまんが頭の中で踊ってました。