夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

5分間SF/草上 仁

学校の朝の読書タイムって、みんな「5分」ってつくタイトルの本ばかり読んでいるんだよと娘から教えてもらいました。学校の図書室で新しく購入する本も、図書だよりを見ると5分系ばかりで、なんとしてでも読書習慣をつけてほしい司書さんの思いもあるんだろうな。

5分で読める短編集でも売れているならいいじゃんねぇ、って思っていたらまさか早川書房も5分系を出してくるとは。表紙からし星新一を彷彿させてくれます。20年かけてSFマガジンに連載されたショートショートの文庫化。

最初の3話までを読んだ時点では、ギャグが滑ってる…つらたん、でしたが、後半はわりと好き。

■半身の魚

宇宙で遭難し、脱出ポッドでたどり着いた砂漠の惑星。小さなオアシスの池の魚は尽きることがないから、毎日捕獲して食べていられるはずだったのに…という話。ヴォネガットっぽいブラックで好き。

ユビキタス

人の全てをネットワークシステムに依存している未来、太陽の黒点活動の影響で1分間だけシステムが遮断され、その1分間の気づきの話。これぞショートショートの醍醐味。