アーサー・C・クラーク初期の傑作長編『火星の砂』をメルカリで譲ってもらいました。相手のコメントによると、ずっと本棚にあったという初版本。45年間も手元に置いていた元持ち主の気持ちもわかる、ノスタルジックでハートフルな小説でした。
火星までの定期航路が開設され、第一号宇宙船にルポライターとして乗船した小説家ギブスン。3ヶ月に及ぶ旅程を、「2001年宇宙の旅」の前半のような、憧れの宇宙旅行を細かく描写。火星に着いてからはドーム都市、そして予期せぬ冒険の途中で出会う火星生物チューチュー。最後は驚きの荒技でテラフォーミングまで。1951年執筆でここまで想像できていたとは、クラークすごい!
ただギブスンの息子との巡り合わせは、好青年に育つまでの苦労をすっ飛ばしていいとこどりかい!と若干モヤモヤしました。