夜空と陸とのすきま

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ものがたり宗教史/浅野典夫

Twitterでおすすめを見かけた、高校の社会科教諭による宗教史。こんなに歴史的背景をきちんと踏まえて、それぞれの宗教を分かりやすく解説した本には出会ったことがないです。素晴らしい!

今年から授業で世界史を選択した娘も読んだようで、ざっくりと流れがわかってちょうど良かったようです。世界史は学んだときは理解しててもすぐに忘れるので、数年おきに復習がいるなとつくづく思います。度々触れていると、博物館に行ったり、伝記物の映画を見たりした時に、より知的好奇心が刺激されて楽しめるし。

ユダヤ教からキリスト教イスラーム教が派生して、現代のパレスチナ自治区の混乱まで続く歴史。紛争解決には、関わる人全員が史実を知り理解して思いやって話し合うしかないんだろうけど、その教育というものが一番難しくて、いつまでも解決できないんだなと思います。

民族としてヤハウェ神を信仰しているのに、御利益があるどころかひどい目にあうのならば、こんな神様を信仰するのはやめようという考え方もあると思うのですが、かれらは逆の発想をしました。「われわれは、モーセ以来の戒律をきちんと守り、ヤハウェ神のみに信仰を捧げてきただろうか」と、反省をしたのです。反省というものは、すればするほど際限なく反省点が出てくるのです。(P28)