夜空と陸とのすきま

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最新 地図で読む世界情勢 これだけは知っておきたい世界のこと

 

 

年末にいつも通っている図書館へおせちのレシピ本を借りに行ったところ、新書棚で見かけて、ちょうど読んでいた「大世界史」に地図がないのが不安だったので、なにか参考になるかとついでに借りました。

どちらかというと、テーマに沿ったデータ的要素でのグローバル地図(詳細や国名なし)が多くて、期待していたものとは違ってあまり世界史とは関係なかったです。(いや、タイトルが世界情勢だから現代だし、気がつけ自分。)

でもイスラム教の宗教地図はとても良かった。同じイスラム教でもスンニ派シーア派、さらにそれぞれに細かく宗派が分かれているのは知っていたけれど、それが国ごとでなく地域で色分けされている地図が。すばらしい!思わずコピー。本書と同じ内容がNewsweekJapanにあったので、引用しておきます。

www.newsweekjapan.jp

 仏教だってキリスト教だって細かい宗派に分かれている。イスラム教だってそう。イスラムと聞いて怖くなるのは実際にイスラム教を知らないから。できれば多数派の普通のイスラム教徒の人と知り合いになってみたいな。

本書は世界地図の歴史から始まり、人口、不平等、紛争、気候、エネルギーなどをグローバルな視点とわかりやすい地図で解説していて、なかなか読み応えがありました。エコロジカル・フットプリントについては耳が痛くなりつつ、普段の買い物も意識しようと思い、最終章では目指すべき世界が示唆され、すぐれた教科書のよう。さすがフランスの地政学者と高校教師が作った本だ。

各項目の最初に著名人の名文が載っていて、それも心にずーんと刺さりました。

年の初めにこういう本を手に取ると目が覚めます。

私たちは両親の土地を相続しているのではない、子供達の土地を借りているのである
レオポール・セダール・サンゴール

 

1人の老人の死は、図書館が一つ焼けるということだ
アマドゥ・ハンパテ・バー

 

私は世界地図をなでる。私の長い指の下で、山や林が生まれるまで
ジュール・シュペルヴィエル