夜空と陸とのすきま

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ブルー・シャンペン/ジョン・ヴァーリイ

表紙絵が素敵なヴァーリイ短篇集。はかない、せつない、そして怖いヴァーリイを久しぶりに堪能しました。収録作の「ブルー・シャンペン」と「PRESS ENTER■」は、早川から出ている傑作集『逆行の夏』に入っていたから以前にも読んでいたし、このブログに感想も書いていたらしい。全く記憶にないけれど、7年前に書いた感想とはまた違う読後感だったのでヨシ。

■プッシャー

宇宙に行って帰ってきたら少女は大人の女性になっていたというウラシマ効果の話を、ロリコン変態おじさんが主人公って設定にしてくるヴァーリイがイカれている。

■ブルー・シャンペン

月軌道に浮かぶシャンペン型の丸いバブル。表紙絵がロマンチックな感じで見事に再現されてます。全身を機械でサポートされていないと生存できない女性と翻弄される男の話。

■タンゴ・チャーリーとフォックストロット・ロミオ

バイオハザードで乗組員が全滅した宇宙船の生き残り少女チャーリーと、彼女を守るロボットの話。ピュアでせつない。

■選択の自由

性転換が気軽にできる世界の話。しょっぱなで家事にぶちギレる妻の気持ちわかる〜。結局夫の方が何も変わっていないし変わる気がないのがなんだかな。

ブラックホールロリポップ

ハイでポップなブラックホール探索の話。

■PRESS ENTER■

以前の感想は「テクノ・ホラー。呪いのビデオ(リング)みたい。コンピュータ怖し。」だったけれど、今回はリサの可愛いさにびっくりした。ヴァーリィの描く女性はいつも欠けている何か(分身)を追いかけているところが魅力的。

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