夜空と陸とのすきま

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巨人たちの星/ジェイムズ・P・ホーガン

巨人たちの星 (創元SF文庫)

前二作からのチャーリーの謎、月の謎、ガニメアン達の謎を解き明かしながら、ガニメアンと共闘してジェヴレン人との戦いを描くジャイアンツ・スター第3部。

スパイ、ミステリー要素、そしてスパコン同士のバトルあり、特殊部隊突入あり、まさかのタイムスリップ?とてんこ盛りな内容でアクティブな第3部。ホーガンのこのシリーズはスケールが大きくて楽しい。前二作の(私は気にもしていなかった謎を律儀に)伏線を拾っていって見事に円環を閉じてくれました。

地球人がここ数世紀で急に発展したのも、搾取階級が富を再配分せず独占するのも、すべてジェヴレン人の計画的な陰謀だった!なるほど!社会批判をSFに落とし込んでくるところも面白い。

歴史を通じてこの対立のパターンは変わっていないよ
教養があって、豊かで、精神的に解放された市民階級の出現を搾取階級は何よりも嫌うんだ。権力というのは富の帰省と管理の上に成り立つものだからね。科学技術は無尽蔵の富をもたらす。故に科学技術は規制しなくてはならない。知識と理性は敵である。迷信とまやかしを武器とせよ

さらに第4部という続刊があるそうで、「内なる宇宙 上下」をポチりました。