夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

キリマンジャロ・マシーン/レイ・ブラットベリ

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古本で購入。積ん読消化。

大分無意識にSFを買い込んできたらしく、本棚の積ん読半分はSF。
今年はSFを読んでいこう。(いまごろ今年の目標をたてる)

この短編集の本題にもなっている短編「キリマンジャロ・マシーン」は、”パパ”と呼ばれる老作家の話。読み終えてもよく意味がわからなかったけれど、巻末の解説で“パパ”=ヘミングウェイのこととわかると、実はこの物語はファン代表(ブラットベリ?)がパパ(ヘミングウェイ)から受けた感銘と愛情を燃料にして詰めたタイムマシーンで過去に戻り、不幸な死を迎えてしまった(自殺した)パパをふさわしい最後の場所へ運ぶという…心温まる話だと理解できました。

パパ、1954年、キリマンジャロ、凍り付いた豹の遺体、飛行機事故などの言葉でヘミングウェイと気がつくべき?ホント無知だなー自分は。

以前に読んだ短編「永遠と地球」も、トーマス・ウルフへのオマージュでしたが、敬愛する作家を救えなかったブラッドベリの無念も感じます。

本書に収められている短編「夜のコレクト・コール」は火星移住後に地球が核戦争で滅亡し、ただ一人火星に残った老人が狂っていく話。これもまた切なく寂しい物語。
実際に火星への人類移住計画「ワーズマン」が進行しているようですが(これすごいなぁ)


【火星移住計画】今後15~20年で地球から火星に8万人を移住って本当に可能? - NAVER まとめ

近未来が長年親しんできたSF世界のようで楽しみな一方、ブラッドベリを読むと宇宙が美しく寂しい景色にみえます。