夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選/ジェフリー・フォード

早川が出しているムック『SFが読みたい!2024版』の海外部門第2位に入っていて、評価の高さが気になって手に取りました。最初の「アイスクリーム帝国」と、表題作が特に素晴らしくて、後半のSF短篇も読ませてくれます。お値段高いけど(3,850円税込…鼻血)多彩なジャンルを色々と読めるので満足感がありおすすめです。夜に寝る前に一短篇を読んで、もやもや考えて、朝起きたら自分なりの解釈できたような気がする日々を過ごしてました。

 

◼︎アイスクリーム帝国

共感覚という設定も面白かったし、物語のレイヤーが別れていて最後に世界が交差するとことかびっくりしました。


◼︎マルシュージアンのゾンビ

ホラーなんだけど、主人公と同じくこんがらがった糸を解きほぐそうとしても、オチがまだよくわかっていない。


◼︎トレンティーノさんの息子

著者のフォードが大学を中退して、貝取の漁師をしていた頃の体験を元にした話。大海原の小舟の上で亡霊に会う。海の怪談怖い。棺は死者のための舟というくだりが良い。


◼︎タイムマニア

ハーブのタイムを噛み含んでいる間以外は亡霊が見えてしまう少年の話。これも最後にゾッとするオチで、愛があるなら彼にとっては幸せなオチなのかもと思う。


◼︎最後の三角形

麻薬中毒でボロボロの主人公を助けた老婦人が、元夫の作った魔法陣のゴタゴタに主人公を巻き込む話。老婦人とのバディ&謎解き。アクティブな老婦人に私もなりたい。