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本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

輝く断片/シオドア・スタージョン

輝く断片 (河出文庫)

なんとなく古そう・小さそうだからたいした本の量がなさそうだなと勝手に思いこみ、わりと近くなのに今まで一度も入ったことがなかった隣町の図書館。娘のスポーツ行事のついでに入ってみたら、意外なほど海外文学が充実。何この品揃え。選出している司書さん素敵!(尊敬)ということで、鼻息あらくウハウハしながら図書貸出カードを作り、見つけました『輝く断片』!これ本屋でも古本屋でも見つけられず、やっぱりAmazonかい密林しかないんかいと悩んでいたところでした。その時はホントに輝いて見えたんです(読み終えたあとは…)。ともあれしばらくこの図書館に通います、わーい。

スタージョンの「SF」短編集だと思い込んでいましたが、SFもあるけどメインはミステリー?なんともカテゴリわけしづらい。短編集『時間のかかる彫刻』はクールなイメージでしたが、この短編集は変人、キモ男だらけ、狂ってやがるぜ!

まず、『取り替え子』『ミドリザルとの情事』『旅する厳』と下ネタお馬鹿SFが続き、あほやなあ〜と気が抜けたところで、サイコパス物の『君微笑めば』で肌が泡立ちぞっとして、『ニュースの時間です』で意味解らんけど怖いわーときて、『マエストロを殺せ』『ルウェリンの犯罪』⇒柳下毅一朗訳ですよ。

柳下さんの名前だけで猟奇殺人ものだろうと想像がつきます。案の定始まりの一行目から「おいらはとうとうラッチ・クロウフォードをボトルクリッパで殺した」。ほらきた。

以前の短編集で収録された時の邦題は『死ね、名演奏家、死ね』だったようですが、柳下さんには悪いけど、そっちの方があっている気がする。殺せ!より死ね!氏ね!なのよね。(なんつー邦題だ)スタージョンの短編のタイトルはどれも奇抜。

そして表題作の『輝く断片』、男が道路で死にかけていた女の子を拾ってきて、介抱してあげてうんぬんのお話。こんな話だったんかーい。かーい。
女の子を輝く「断片」って、 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

ストーカー要素満載な短編でして、スタージョンは一方的な思い込みが強くてノンコミュニケートで引きこもりな男の人をねっちっこく描くのがすごく上手いということがよくわかりました。

彼らはけっして悪人ではない。むしろ真面目すぎるがゆえに、正常と異常の境界線をどうしようもなく踏み越えてしまう。