夜空と陸とのすきま

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増補サバイバル!人はズルなしで生きられるのか/服部文祥

増補 サバイバル!: 人はズルなしで生きられるのか (ちくま文庫)

携帯電話やラジオ、登山用コンロにテントなど文明が作ってきた装備をできる限り持たずに、岩魚釣りや山菜採りをしながら山を縦断する。そんな「サバイバル登山」の第一人者である著者の単独登山のレポート。

若いころにこの本に出会っていれば、影響を受けて真似していたかもという人も多いのではないでしょうか。やんちゃ・アバウト・なあなあにルールを変えていくのもゆるくていい。登山っていっても色んな形があるんだなぁと感心して驚きました。著者は色んな本を読み、かつ自然の中での体験で自分の言葉を見つけていて、この本には登山哲学も満載。登山での不幸な事故は絶えないけれど、それなりの意気込みも覚悟も持って臨んでいるのだろうし、それが選択できるくらいの自由は人間にあってもよいと思う。

 

登山客…山岳ガイドの客、山小屋の客、場所は山だけどやっていることは観光客

登山者…自立した自由なる精神を、そのリスクも含めて知っている人のこと。

登山家…登山者のなかでも登山関係で生活の糧を得ていたり、登山の頻度と内容からして、人生のほとんどを登山に賭けてしまっているような人のこと。