娘が図書館に連れて行っても絵本を借りなくなり、そろそろ絵本卒業の間近かと思うと、寂しくなってきました。今のうちにこれは名作というのを一緒に読んでおこうと、柳田邦男氏推薦らしい(と、PTAの講演会レジメに載っていた)「ルリユールおじさん」を借りる。
パリの街、大好きな植物図鑑がバラバラになり困っていた女の子が、ルリユールおじさんと出会い、図鑑を製本装丁し直して世界にたったひとつだけの本にしてもらい、そして女の子は大人になって植物学者になったというお話。
パリの街を彷徨う女の子が魔女宅のキキみたい。本の製本はいきなりマニアックな細かい描写。全体的に描き込みすぎず柔らかな、でも確かなデッサン力に基づく水彩画。女の子、職人のおじさん、木、フランスパンって、これはまさしくスタジオジブリ!
残念なのは漢字にふりがながふっていないこと。実は大人向けの絵本なのかしら。難しい漢字が出ただけで小学生にはハードルが上がるのですが…。でも本好き、人生を様々な本との出会いで支えられてきた者にとっては、胸がキュンキュンくるお話でした。