夜空と陸とのすきま

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日本語を味わう名詞入門14 山之口貘/萩原昌好編

 

図書館で借りる。

図書館で娘と絵本や児童書を選んでいたら、児童用の貘さん詩集発見!

20代の頃、沖縄に移住したくて、脳内が沖縄・琉球でいっぱいになっていた頃に、習っていた三線を通じて山之口貘に出会いました。

曲になったうちでは、大工哲弘さんが歌う「生活の柄」が一番好きなんですが、大工さんのはあまりYouTubeにないね。

 

歩き疲れては 夜空と陸との

隙間にもぐりこんで

草に埋もれて寝たのです 

 

もうこの「夜空と陸との隙間にもぐりこんで」という表現が
ありそうでないことばで、大好きで、真似して三線で弾いてました。

今回のこの本は、子どももわかりやすく読める詩を選出し
丁寧に解説をつけてくれる、この入門シリーズいいなぁ。

子どもの頃に出会いたかった。

どん底の貧乏のなかで、芸術が生まれるというのは実は難しく
貧しいと心も体も病んでしまうことの方が多いのですが
山之口貘は死ぬまで清貧を通した稀な人。
琉球出身の差別、太平洋戦争と大変な時代だったのに
紡ぎ出した詩はどれも優しいのです。

「求婚の広告」

一日もはやく私は結婚したいのです

結婚さえすれば

私は人一倍生きていたくなるでしょう

かように私は面白い男であると私もおもうのです

面白い男と面白く暮らしたくなって

私をおっとにしたくなって

せんちめんたるになっている女はそこらにいませんか

さっさと来て呉れませんか女よ

見えもしない風を見ているかのように

どの女があなたであるかは知らないが

あなたを

私は待ち侘びているのです

「さっさと来て呉れませんか女よ」って(笑) ストレートすぎるでしょう(^_^;)

この後、新婚の詩がでてきて、貘さん結婚できて良かったね、と思いつつページをめくったら質屋の話が出てきたり、大変な結婚生活だったようです…。