夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

虫けら様/秋山あゆ子

この作家さんとの出会いは福音館書店から出ている「みつばちみつひめ」「くものすおやぶん」という絵本が最初でした。江戸時代&虫がモチーフで仕草がとても可愛いく、虫嫌いの娘も秋山さんの描く虫は大丈夫という(この本をきっかけに虫好きに!とはならなかったけど)、いやほんと細部まで細かくて楽しいのです。

ちくま文庫から出ている「虫けら様」は、絵本とはまた違ってガロ漫画っぽい。擬人化された虫を詩情豊かに描き、普段は迷惑にしか思わない蜂の巣の中も、こんな緻密な世界なのかと驚き、この小さきもの達のいじらしさがたまらないです。

また「土蜘蛛草紙」「鼠の草子 」と虫がモチーフの古典が描かれ、昔の日本人の想像力の豊かさに嬉しくなってしまいました。古典を上手に漫画でみせてくれるところは杉浦日向子こうの史代もされていて、いずれの作品も大好きです。