夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

20億の針/ハル・クレメント

新年あけましておめでとうございます。ささやかな読書記録ブログですが、自分にとってはあれこれ活用できている奇跡のログなので、今後とも続けていきたい所存です。たまにお立ち寄りいただけると幸いです。本年もよろしくお願いいたします。

さて、お正月に読んだのはハル・クレメントの『20億の針』(1950年)。昭和の頃に児童SF選書で『星からきた探偵』や『宇宙人デカ』などのタイトルで出ていたらしい。私が通った学校の図書室にもきっと陳列していたのだろう。小中学で読んでいたらたまらん面白さだろうなと思います。宇宙からきた知的生命体が体内に寄生して…という話の元祖なので、ウルトラマン寄生獣真・女神転生Ⅴも全てクレメントのSFが原点なんですね。ほっほー。娘がゲームの『真・女神転生Ⅴ』にハマっているので、"捕り手"はアオガミの声で「少年、」って脳内変換してしまいました。

あらすじを書きますと、緑色のアメーバーみたいな"捕り手"に寄生された少年ボブは、同じく地球に不時着した"犯人"を探すことになります。ホシは誰に寄生しているのか?地球上にいる20億人(1950年当時は20億なのだ)の中から探し出すというお話。壮大な舞台設定にワクワクして、結局は小島の住人160人限定としょぼくなってしまうのですが、オチつくためにはしょうがない。

しかし体内に寄生する過程が、医学的にもしっかりと描かれているのが意外でした。すぐに意思疎通せず、時間をかけて地球人の思考や言語をマスターしていくとこも面白かったです。

難をいえば、登場人物の呼び名が、ファーストネーム、ミドルネーム、呼び名、あだ名とそれぞれあって混乱しました。かなり人が出てきてるようにみえるけど8人だけなんだよね。