夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

時ありて/イアン・マクドナルド

廃業した古本屋の大量破棄処分の本の山から見つけた詩集『時ありて』。本に挟まっていた手紙の差出人を探し求めるうちに…というミステリー時間SF。

まず古本に挟まっていた手紙っていうのが、読者好きのツボをつく。自分が買った古本に挟まっていたのは、レシート、買い物メモ、手描き相関図とかかなあ。BOOKOFFは棚出しする時に本の帯や挟んである広告を捨てるのやめてくれないかなー。時を感じて好きなんだけど。とか思いつつ、まあ手紙が挟まっていたら、そりゃあ恋の始まりだよね(違う)

で、手紙の主トム青年は第二次世界大戦下のエジプトにいて、恋人へのラブレターを書いていて、相手は同じ男性でベン。BL展開!トムとベンの二人は様々な時代に現れてはいちゃつき、キスをして海が燃えあがり、待ってくれーと追いかけていく主人公もいつしか時間の迷宮に迷い込む。

時の旅人はこうあるべきっていうスタイルの紹介が、英国だなーって感じで好きでした。文章が綺麗でとても詩的なんだけど、FacebookポケモンGOが出てきたりして良き。

カバーを外すと、詩集『時ありて』の造本を模した表紙になっているそうですが、図書館で借りたのでカバーフィルムが貼られていて見れませんでした、残念。