夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

ZOO CITY/ローレン・ビュークス

 

南アフリカヨハネスブルクヒルブロウ地区は別名ZOO CITY。全ての凶悪犯罪者は服役後に一体の動物と共生関係を結ばされ、特殊能力(呪い)が使えるようになる。ZOO CITYに住むジンジは相棒のナマケモノとともに、イメージの糸をたぐり紛失物を見つける特殊能力を使って、双子のポップアーティスト片割れ失踪事件に挑むというお話。

ドレッドヘアにターバンの黒人ねーちゃん、背中にナマケモノを背負うという図が、ジョジョスタンド使いの様で、超能力バトルみたいなエンタメを期待してしまいました(相手がマラブー(ハゲタカ)女に、マルチーズ男だし)。しかしそうは展開せず。ブラックな闇社会を彷徨って終わった感じ。

ジンジのウィットに富んだ独白的な文章は、カルチャー、宗教に歴史と知的な謎かけが多くて、スラスラとは読めず大分苦戦しました。ラストバトルはエグいし、オチも切なかったし、誰も幸せになっていないのも舞台が南アだからでしょうか。

そもそも度々出てくる"逆流反動"の意味がよくわからない。シャーマンの言う"悪い気"みたいな感じかなと思いながら読み進めていたけど、あっているのかな?

登場する男性が、みんな(最初は)ジンジに優しいところは良かった。フードに隠れたり、お腹周りにくっつくナマケモノも可愛い。そんで上から大きめのシャツを着て、妊婦を装って逃げるジンジも可愛い。

つい最近動物園でナマケモノを見てきたばかりだったので、重たいよなー、爪痛いだろうなーとあれこれ想像できました。