コニー・ウィリスのオックスフォード大学史学部タイムトラベルシリーズ第2弾。
第1弾である『ドゥームズデイ・ブック』を読んだ後だと、ダンワージ教授や助手のフィンチ君、タイムトラベル=降下などお馴染みのキャラ達や用語が出てくるので理解しやすいですが、しょっぱなでなぜ第二次大戦中の空襲のさなかに「主教の鳥株」を探しているのかわかりづらいので、確かに物語に入りづらい…。映像だったら違うんだろうなぁと思いました。
コヴェントリー大聖堂復元計画のために、史学部の学生達が調査に動いていて、タイムトラベルで過去に遡って探しているのが「主教の鳥株=ヴィクトリア調の”すごい”花瓶」。その計画の指導者レイディ・シュラプネルにこきつかわれて、主人公のネッド君は度重なる降下で起こるタイムラグで疲労困憊になり、不憫に思ったダンワージ教授がバカンスに行って休んでこいと、のどかな19世紀へネッドを送り出し…という話。
それからセーヌ河をボートでくだっていると出会ってしまうガチの「ボートの三人男」。どんどんと絡まっていくタイムパラドックスを必至に戻そうと走り回る主人公とヒロインと犬!ミステリーとSFが融合したドタバタコメディ。出てくる脇役はみんな、口から産まれてきたかのように早口でまくしたてるので、ものすごいテンションで物語が進みます。
やれやれ、わけのわからんことをまくしたて、古典を引用をしまくる男がまたひとり。しかも今度はラテン語ですか。