夜空と陸とのすきま

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オン・ザ・ロード/ジャック・ケルアック

 

 

オン・ザ・ロード (河出文庫)

オン・ザ・ロード (河出文庫)

 

 ヒッピーやカウンターカルチャーの誕生を促したというビート文学の代表作、「オン・ザ・ロード」を新訳で読んでみました。

若き作家サル・パラダイスとワイルドで破天荒なディーン・モリアーティがアメリカ大陸を横断する旅に出る話。

アメリカ大陸横断というと、ロードムービーで何度か見たことがあり、砂漠で焚き火、誰もいないハイウェイでエンスト、寂れたガソリンスタンドの情景、エリア51などが目に浮かび、内心ちょっと憧れていたりなんですが。

そのN.Yとロスまでのロードを第4部まで何度もおんぼろ車やヒッチハイク又はバスで行ったり来たり。働いてお金が貯まったらN.Yを飛び出して、行く先々でラリって酔っ払って、彼女ができて(妊娠させて)喧嘩して一文無しでまたN.Yに泣きながら戻る。目的も目標もなく、自由に駆け巡る、ふるえるぞハート · 燃えつきるほどヒート・刻むぞ血液のビートなのはわかるんだけど、二人とも女の子を泣かせすぎだろうっ!精神不安定で鬱になってしまった彼女達と赤ちゃんが不憫でならない。

半分(`ヘ´) プンプンな気分になりつつも、ハイウェイをおんぼろ車で飛ばす疾駆の描写は確かに爽快で、学生時代に目的もなく夜間に一人自転車を漕いで走り回っていた、自分のほろ苦い青春を思い出したりしました。10代後半〜20代前半ってどうしてあんなに苦しかったのかなぁ。若さを持てあます時期ってあるよね。