夜空と陸とのすきま

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シン・ゴジラ

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子供の頃に弟と見た84年版ゴジラ、次作のビオランテでものすごい衝撃を受けてゴジラ好きになったものの、その後の平成ゴジラシリーズはいまいち期待はずれで、でもハリウッドならやってくれるはずだと、彼氏(今の夫)とのデートにエメリッヒ版ゴジラを選択するも「トカゲだったね…」で裏切られ、ミレニアムシリーズもあんなんで見てなくて、2014年ギャレス版は、夫を説得して再び一緒に映画館デートに行くも「ずっと怪獣同士が戦ってばっかであきた」と言われ、このシン・ゴジラにいたっては「俺、もうゴジラいいわ、一人で行ったら」とついに見捨てられました。
というわけで深夜のレイトショーを一人でビール(ノンアル)をぐびぐび飲みながら見てきたところです。

もう旦那さんも見れば良かったのに〜!!庵野監督はついに、ついにやってくれたよ!日本の特撮映画もやればできたよ!これですよ、これ、ニッポン対ゴジラ

延々と続く無駄な会議、今まさに危機が迫っているのに書類と閣僚が揃わないと何一つできず、責任の押し付け合いをしていて、どこまでもグダグダな官邸、一方現場では次々と被害が悪化。予想以上に3.11でびっくりした津波(船)が街を襲うシーン、放射能汚染から身を守る防護服など、まだトラウマが癒えていない東北人にとっては胸が痛みましたが、逆に考えると自主規制もせずに災害を描いたすごい映画でした。日本の政治の悪いところ、ダメなところを包み隠さず描いて、自衛隊の戦力も戦法もリアルで、これを全世界に公開するって大丈夫かしらと心配しちゃったり。まあ事実だから隠すことでもないんだけど。

ゴジラの上半身のデザイン(腕が短いとこ)は、最初に予告編を見たときに好きになれなかったのですが、別に他の怪獣とバトルするわけでもないし、人間がまだ未知の領域レベルの急進化した形態だからとわかると、正しいデザインだなと納得。

アングルも、わざと特撮臭さを出しているようにみえる戦闘機のカットも、どこまでもウルトラマンっぽかったです。そういえば庵野監督はウルトラマンになった男でした。ほんでもって電車好きでNゲージで遊ぶ人でしたねと、安野モヨコの「監督不行届」が脳内をめぐりめぐってゆきました。今作もオチビサンいた〜。

ただ、庵野監督の第1期ゴジラシリーズのリスペクトが強すぎて、これ以上の最高の音楽は考えられなかったのか、昔のゴジラ映画のテーマ曲と音響をそのまま使うというのは、せっかくの「シン」なのに、迫力あるCGに対して音楽が浮いていた気がしました。