原題は「Why Kerouac Matters」(なぜケルアックが気になるのか)。そう、「オン・ザ・ロード」の良さがさっぱりわかんなくて、もやもやしていてずっと気になっているんだよ、と読んでみました。翻訳も上手いのか、とても読みやすかったです。
「オン・ザ・ロード」の疾走感は好きだったけど、出てくる5つの旅はどれも失敗に終わり、ドラマティックなオチもなく、登場人物達の成長が目に見えてあるわけでもなく神様、神様、ようするにようわからん。さらに女の子を泣かせまくるガキな主人公達にイライラ。でもこの「ケルアックに学べ」を読み終えると、あるがままにハチャメチャな真実を語っている物語だからすごいんだと納得できました。
聖なる愚者
この世界を見届ける
神様はクマのプーさん
このキーワードを意識して「オン・ザ・ロード」を読めばいいのだ。
それでもやっぱり自分に子どもがいると、たくさんでてくる不遇な赤ちゃんを想像しちゃってプリプリ怒りながら読むことになるんですが。(本書で、女性が読むと怒ってしまうと書かれていて、同じことを思う人はやっぱりいるのね)ああ、読む「年」と「タイミング」は読後感にかかってくるね。
ジャズ、ブルースについて詳しいともっと楽しめそう。