写真家・佐藤健寿氏の写真集「奇界遺産」も、世界中の奇抜な写真と共に紹介されるキャプチャを読むのが楽しいのですが、紀行文のエッセイ集もなかなか読み応えがありました。
「奇界遺産」と出会った衝撃から佐藤氏が関わる深夜番組の「クレイジージャーニー」は毎週録画して観ているし、TOYOTAのエスティマCMもウェブサイトも堪能しました。
そんな世界中の奇界を巡る佐藤氏が影響を受けたのは、水木しげる、諸星大二郎両氏の漫画、それと澁澤龍彦!この「奇界紀行」には澁澤龍彦が晩年訪ねたイタリア旅行をたどったイタリア紀行が載っていまして、学生時代に澁澤本を読み漁っていた私はニヤけっぱなしでした。そうかー「夢の宇宙誌」が扉だったんだなぁ。
世界遺産や名所遺跡の観光地は面白くなく、現代の街と人の面白さの方が圧倒的なパワーがあるとの指摘も納得です。佐藤氏は大自然の美しさよりも、人が作り上げたものを追いかけていて、人の想像力は計り知れないなぁと感じさせてくれます。