夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

100文字SF/北野勇作

Twitterで発表していた連作100文字縛りSFを文庫本化。 一気に読むものでもないし、ちびちびと寝る前のお供読書。100文字だと登場人物も限られてくるので、壮大なSFになりそうなアイデアだったり、小さな宇宙の話だったり、時間SFだったり、最後にスルッとSFになる。この作家さんは散歩の途中で考えているんじゃなかろうかと思える話と亀の話が多い。

夕方、宇宙ステーションが通過するので公園へ。何度もここで見ているから、どこを徹のかはわかっている。廃工場の三角屋根の端から現れてジャングルジムの真上を通りブランコの彼方へ。宇宙飛行士も知らない軌道。

アンドロイドの夢が見た電気羊、その電気羊から作った電気毛布です。もちろん、この電気毛布から逆算して電気羊を作ることもできますし、さらにその電気羊を組み込んだ夢をアンドロイドに見せることだって可能です。

 特に好きだった2作をメモ代わりに引用。私もよく宇宙ステーションをおっかけて見ているので状況がよくわかる。うちは山から現れて、田んぼの上空を飛んで町の方へ消えます。田舎だから空が広い…。電気羊の回みたいに、100文字で円環するパターンも多々。