夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

アンドロメダ病原体/マイクル・クライトン

続編の『アンドロメダ病原体ー変異』が本屋さんで面出し展開だったので、いまさらですが旧作の方を読んでみました。衛星落下事故と一緒についてきた「地球外病原体」との戦い。1969年初版というと50年も前の作品ですが本当に色あせないし、説得力のあるドキュメンタリードラマ風に緊張感があって面白い。映画の方も見たくなりました。

ビル・ゲイツが何年も前からパンデミックに警鐘を鳴らし、いざコロナ禍になったら惜しみなく私財をワクチン開発に巨額投資していて、未知の危機に対する始動が早くてすごいなと思いましたが、『アンドロメダ病原体』はその未知なる病原体対処にあらかじめ国家プロジェクトが用意されていて、すぐにプロフェッショナルを招集し最悪核兵器投与まで計画されているという設定。研究施設の中で病原体の正体を解析するも、病原体の変異が早く、ギリギリの攻防が続くという手に汗をにぎる展開。いやはや面白かったです。備えあれば憂い無し、もしもの時とは常にSFが考えるきっかけを作ってくれるのかも。それに予算をつぎ込んで事前に計画を建てるのは現実では難しいんだろうな…と溜息をつきながら昨日の首相会見を見ました。もうちょっと長期的視点で政治して。