夜空と陸とのすきま

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ガタカ/Gattaca

 

 人工授精と遺伝子操作により、優れた「適正者」を生み出すことができる近未来では、自然妊娠で生まれた「不適正者」との職業格差と差別が発生している。不適正者であり、心臓の持病を抱えたヴィンセントは両親や弟からも疎まれるが、適正者でしかなれない宇宙飛行士に憧れ、適正者のDNAを使ってなりすまし、宇宙局「ガタカ」に採用されるというお話。

とってもクールでシリアスなSF映画。常に血液や尿などを使った生体認証で本人確認が行われる監視社会と徹底した差別。命に優劣をつけ選別する「優生思想」の極み。そんな社会で、犯罪とわかっていながらDNA検査を欺き、体を鍛えあげ努力して宇宙へ飛び立つ主人公の物語に、殺人事件からなる心理サスペンスをつけたして、美男美女の造形の美しさ、格好良さも堪能できる贅沢な映画でした。

室内や小道具も『2001年宇宙の旅』のようなスタイリッシュなデザインで、あまりメカニックな感じではないからSFっぽくないんだけど、でもビジネススーツで宇宙に飛び立っちゃうのはすごいなぁ。