夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

HELLO WORLD/野崎まど

HELLO WORLD (集英社文庫)

HELLO WORLD (集英社文庫)

 

これぞラノベというのを久しぶりに読む。ボーイズミーツガールを軸に世界がめまぐるしく変わっていき、最後まで疾走する。映画の方はまだ未見です。

本好きで内気な男子高校生の直実の前に、未来の自分と名乗る青年ナオミが現れて、衝撃の未来を知らされる。同じクラスの図書委員、瑠璃と付き合うことになるが、最初のデートで瑠璃が事故死する運命だと。この悲劇を変えることはできるのかというお話。

ツンデレ瑠璃とじりじり距離を詰めていき、初恋の照れくささに背中がかゆくなる前半と、量子記憶装置「アルタラ」の自動修復システムと戦い、何がなんだかわからないけど突っ走る後半。まさしく力業でねじ伏せていくところが野崎まどらしいなぁと思いました。あの武器がね、鈍器といえばアレですよね、さすがですね。

笑っている彼女にもう一度会いたいから、世界を一から作り直すという発想と行動はエヴァンゲリオンのゲンドウみたいですが、そもそもそのマッドサイエンティスト的な思い(過度な純愛)に共感できないので、セカイ系は肌に合わないなと改めて感じました。