夜空と陸とのすきま

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草原の国キルギスで勇者になった男/春間豪太郎

草原の国キルギスで勇者になった男

草原の国キルギスで勇者になった男

 

キルギスを動物と旅する冒険記。

海外の旅をリアルRPGと例えて、語学から衛生管理、気象予報士、プログラミングにキックボクシングとスキルを取得し、色々な動物を連れて旅するニュータイプの冒険家さん。

自称が勇者、立ち寄る村をセーブポイントというのはちょっとモヤるけれど、ゲームで育った世代らしい表現。

著者の歌舞伎町のキャッチ経験で鍛えたという、善人悪人を見抜く直感力と交渉力が素晴らしい。あのポジティブさも若く体力があるからこそですね(素直に羨ましい)。

キルギスの人々は優しく親切にもてなしてくれて、イスラムの懐の深さよ。キルギスはいい国だなあと思いながら読み進めていたけれど、最後に著者が遭遇した誘拐婚!いくら文化だからって最悪でありえない。スマホを保持してチャットアプリを使いこなす現代人が、なんでまだ町で誘拐→強制結婚→拒否したら村八分なんだろう。結婚を嫌がる花嫁に、読んでいて同情し胸が締め付けられました。