夜空と陸とのすきま

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夏への扉/ロバート・A・ハインライン

夏への扉

ロボット開発者ダニイが、婚約者と友人にだまされて仕事も財産も奪われ、30年間の冷凍睡眠に追い込まれる。窮地に立たされたダニイの大逆転劇というお話。

最後の大どんでん返し、夢も希望も持てる『夏への扉』というタイトル、猫のピートかわいい!で高校生の頃に初めて読んだ時は「海外SFすごい!」と感服しました。最初にオススメするSFとして定番なのも納得。数十年ぶりに読み返してみましたが、ホントに読みやすい。

<文化女中器>など女性蔑視がカチンとくる箇所もあるけれど、書かれたのは1957年で書いたのはマッチョ精神のハインラインだし。この辺は小尾芙佐氏の新訳版ではどうなっているのか知りたい。ちょろっと出てくる<ヌーディストクラブ>、ハインラインの『人形つかい』でも登場人物が脱ぎまくるので、ハインライン=すっぽんぽん好きという認識が追加されました。

限られた時間内に遂行しないといけないミッションなのに、猫の興奮が収まるまで辛抱強く待つ主人公など、猫思いの優しい描写が結構あるので、ハインラインの猫好きはすごいです。この度舞台を日本に変えて実写映画化するようですが、TBSのドラマ『アルジャーノンに花束を』みたいになるのかなと想像。ピートはベンガルのイメージなんだけど、マンチカンみたいな猫になっていて、そこから不安…。ピートの活躍を期待します!

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