夜空と陸とのすきま

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アジア新聞屋台村/高野秀行

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

高野さん、台湾人の美人社長に見込まれて多国籍新聞社の編集をすることになり、在日アジア人と文化祭前夜のようなにぎやかな日々を過ごす、自伝的青春なお話。

南伸坊氏の表紙絵がまたすばらしい。アジアの女性のたくましさと明るさが表情に出ていて、こりゃまた大きな颱風に巻き込まれたんだなと想像できます。

最初に「<自伝的>物語”としてお読みください」と編集部からの前書きがあり、どこまでホントの話だったのかわからないけれど、新聞社のスタッフとの甘くもあり苦みもありな交流を、とてもテンポよく描いていて読みやすかった。

会社のために頑張る文字通りの一所懸命な日本人と、自分のために頑張るアジア人。失敗を恐れずにガンガン進む彼ら彼女らの姿がまぶしいし面白い。これは自分の体験してきた思い出も重なって共感することだらけでした。いやーすごく振り回されるんですけどね。やっぱり多国籍の方とお友達になって、色んな見方を持つことこそ必要なことだと思う。