夜空と陸とのすきま

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マーダーボット・ダイアリー(上・下)

[まとめ買い] マーダーボット・ダイアリー

趣味は連続ドラマ鑑賞、特技はハッキング、そして極度の対人恐怖症な警備ユニット”弊機”の、宇宙さすらい物語。

これはホントに面白かった!凄腕のハッカーで、自分の統制モジュールをハッキングして自由になったものの、世間知らずなので何をしていいのかわからず、とりあえず警備ユニットを続ける弊機。趣味は連続ドラマ鑑賞という設定が最高に面白くて、暇さえあればすぐメディア視聴、対人にしんどくなったらメディアに逃げ込み、連続ドラマのお気に入りの回やサントラを流して癒やされるガチおたく。度々出てくる連続ドラマ『サンクチュアリームーンの盛衰』が気になってしょうがない。

そんな弊機も過去に大量殺人という事件を起こしており、なぜ自分は制御不能に陥ってマーダー(殺人)ボットとなったのか、謎を解く鍵を求める旅に出る。この世界はワープを使って自由に惑星を行きできるが、企業が前面に出てきて国家がないので警察や軍隊が登場せず、代わりに保険会社や警備会社が重要な役割を担うという設定。契約契約となんともアメリカのSFらしい。

ということで異星文明の発掘隊の警備や交渉の警備などの仕事をして、命がけで守った契約者との繋がりで進むべき道が開かれていくというこそばゆい展開が最高でした。

上巻の後半に出てくるART(調査船のボット)と一緒にドラマを視聴しながら親密になっていくとこ良かったな。外国人同士言葉がわからないけどプレステで格闘ゲームを一緒にやっていくうちに親密になれたという友だちの話を思い出した。

そうやっていっしょに『ワールドホッパーズ』を観はじめました。第三話で、あるキャラクターが殺されると、船は動揺しました。第二十話でメインキャラクターの一人が死ぬと、七分ほど中断しなくてはなりませんでした。船は自己診断を走らせるふりをしながら、茫然自失の状態でした。そこから四話後にそのキャラクターが生き返ると、船はよろこんでその話を三回くりかえして観ました。


上下巻で4話収録、続編もあるそうなので楽しみ 。