夜空と陸とのすきま

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エンダーのゲーム(上・下)/オースン・スコット・カード

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

昆虫型異星人バガーの侵攻から地球を守るため、優秀な艦隊指揮官を育成すべく設立されたバトル・スクール。対バガー戦を模した訓練で頭角を表す天才少年エンダーは、地球の救世主になれるのか?リーダー育成SF。

最初はハリー・ポッターみたいな展開で、学校でいじめにあう子がバトル・スクールでは天才児になり、一目置かれる存在に的な出だしだったのに、実はエンダーの兄姉も天才児でネットで大人になりすまし世論を操りだしたりと、どんどんスケールが大きくなっていきました。

下巻で指揮官として連戦のプレッシャーや隊員のフォローなど、心理的に追い込まれていくエンダーの苦悩を読むのはしんどかった。

戦争を知っているまともな大人は、疑うことなく戦闘を遂行できないから、むこうみずで才気煥発な少年エンダーを訓練し地球の命運をかけた戦いの指揮官をやらせる。なんとシビアで無情な設定なんだろう。これがアメリ海兵隊の推薦図書リストに長年入っていて、リーダーシップ育成図書として読まれるSFだそうです。

 

新訳版だったので「フォロワー」など今時のネット用語が出てきますが、逆に旧訳版はどんな表現だったのか気になる。