1952年から1972年の本土返還まで、激動の戦後沖縄を3人の若者が駆け抜ける!山田風太郎賞、直木賞ダブル受賞作。
米軍基地に忍び込み、物資を略奪して住民に配る義賊「戦果アギャー」。そのリーダーであるオンちゃんは嘉手納基地襲撃中に行方不明になる。オンちゃんの志を受け継いだ親友グスクは警官に、弟のレイはやくざ&テロリストに、オンちゃんの恋人ヤマコは小学校教師になり、それぞれの立場から沖縄の人々を守り、尽くしていくというお話。
沖縄人民党の瀬長亀次郎や、琉球主席の屋良朝苗など実在の人物も登場し、沖縄刑務所での暴動、由美子ちゃん事件、宮森小学校事件と史実も織り交ぜて、激動の時代はスピードが速い速い。語り部の合いの手というか笑いツッコミにふわっと南国の風を感じます。基地問題のこんがらがった糸を一つずつ再認識。
「さあ、起きらんね。そろそろほんとうに生きるときがきたーー」
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沖縄の義賊といえば映画『ウンタマギルー』がもう一度みたい。戸川純と照屋林助の島唄「むるわからん」「デンサー節」の替え歌が印象的だった。高嶺剛監督作品をどこかのサブスクで配信してくれないかしら。