夜空と陸とのすきま

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月は無慈悲な夜の女王/ロバート・A・ハインライン

月は無慈悲な夜の女王

2076年、圧政に苦しむ月世界植民地は地球政府に対し独立を宣言したというお話。

ハインラインが「書いたら左翼と呼ばれた」独立戦争モノ。初期の超マッチョな『宇宙の戦士(1959)』から中期作品に移ると、こんなに主張が真逆になるの?どーした?とびっくりするほど自由主義なキャラ達。特に、プログラムのくせに自らプログラミングしちゃう万能すぎるAI、マイクロフト・ホームズ君(通称マイク)と主人公達とのほのぼのした友情が素敵でした。いちいち会話に「わたしの最初の男友達」「わたしの唯一の女友達」「マン、ぼくのいちばん古い友人」と丁寧な返しをしてくるのに、楽しそうに地球に石をぶつけるAIという…。

↓前の文庫本装画は、無慈悲な女王様の石が、月からぶん投げられているのです。怖ぇ

 

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物語の中で月の重力が地球の1/6というとこに結構こだわりがあって、月生まれが地球に降りたつと体が重くて動けなくなるし、地球人が月に行くと体が軽すぎて制御できなくなるところとかちゃんとしていて感心しました。

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