夜空と陸とのすきま

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荒潮/陳楸帆

荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ゴミの島のリサイクル利権をめぐって、海外の組織と地元御三家の争いからのアジアン・サイバーパンクなお話。

電子ゴミから資源を探す最下層民”ゴミ人”の少女、米米(ミーミー)を軸に、リサイクルゴミの闇や格差社会貧困層と富裕層との対立、義手やらチップやらサイバーパンク盛り盛りで、とても勢いがあって面白かったです。ストーリーは面白かったんだけど、米米ちゃんが弄られすぎてかわいそうだった。

この物語に出てきて初めて知ったことですが、中国のネット検閲の表示コードが451で、ブラッドベリの『華氏451』=焚書から引用されているってすごい皮肉ですね。

タイトル「荒潮」の意味も、そっからきたネーミングか!と驚く。中国SFは伝統的文化との融合度が高くて嬉しくなってにやけてしまう。SFと文化の融合と言えば、無縁仏の墓地に放置されていて道教の呪符と仏教の数珠がかけられているアレに乗りこんで、「こいつ、動くぞ!」的な展開になるとこも最高だ!

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