夜空と陸とのすきま

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息吹/テッド・チャン

息吹

 2020年あけましておめでとうございます。このブログも7年目に入りました。誰かが読んでくれている…というほどよい緊張感とともに書き続け、前に読んだ・観たあれってどういう話だったけと備忘録として大いに役立てているので、続けられる限りは継続していこうと思っています。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、新年第1回のエントリーは昨年12月に待望の新作発表となったテッド・チャンの短編集『息吹』。新作に17年もかかったのは、テッド・チャンが兼業作家さんで、本業はテクニカルライター(取扱説明書を書く人)だから、それはそれは寡作な作家さんなのです。

『商品と錬金術師の門』『息吹』
2作品とも他アンソロジーにも収録されていたのですでに読んでいましたが、アンソロジーで読んだ時は「ふーん」という特に感想も思いつかなかったのに、今回読み返してみて鳥肌立つ立つ。私にとってテッド・チャンの書く物語は理解するのが少し難しく、2回目3回目の読み返しでようやく意味がわかり衝撃がくるようです。

『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』
AIという人工生物の飼育と教育の物語。子育てもAI育ても同じくらい苦労と時間がかかる。とても愛を感じるお話でした。

テッド・チャンテクニカルライターが本職だけあって、いつも文字をこねくり回し、時間をかけてピタッとはまるところを探しているのかなと思います。だから短い文章ですごい物語を書けるのかも。そして大森望氏の翻訳も大変上手い。最近大森氏の翻訳本ばかり読んでいる気がする…。

後半収録されている物語は半分くらいよくわからなかったので、自分の中で量子論の知識をもっと増やしたころに、また時間を置いて読み返すことにします。

 

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