夜空と陸とのすきま

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辺境メシ ヤバそうだから食べてみた/高野秀行

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

TBS系列深夜番組『クレイジー・ジャーニー』がやらせ問題で放送休止終了になってしまい、録り溜めた録画でジャーニーレスを癒やす日々。未見なのは昆虫食の回ばかり残っていて、虫嫌いの旦那と子供が嫌がるので、こっそり夜中に見る予定。この番組のお陰で多くの冒険家やジャーナリスト、写真家を知ることができ、その中のお一人が辺境冒険家の高野秀行氏。本当に『クレイジー・ジャーニー』は今のテレビでは貴重な番組でした。番組の件は残念無念だけれど、知り得たジャーニー達の活動は今後も追いかけていきたいです。

さて、見事にどれもこれも美味しそうに見えない辺境メシですが、所変われば全てが大変なご馳走なんだなと、世界は広いなと。ホントに人間って雑食だよね。

自分も学生の頃に中国内陸を旅して、旅疲れで倒れた時に、「元気出せ、風邪治るよ」と朝食に蛇を調理したスープを出されたことを思い出しました。善意の塊のような眩しい笑顔で料理を差し出されると、ゴメン無理って言って逃げ出す訳にはいかず、蛇肉は小骨が多くて皮が生っぽくって往生しましたが、確かに精力はつきました。高野さんも蛇は小骨が多いが鶏肉のような味って書いていて、同じスープを食べたのでしょうか。

まあ蛇なんて全然序の口で、本書にはもっと奇想天外な食事がたっぷり登場します。自身も料理される高野さんの視線は、調理の仕方から、見た目、味わいと詳しいレポ満載です。とても詳しすぎて、あー自分は食べるの無理かもと想像できるところが難ですが。高野さんは美味しそうに豪快に食べるのがまた気持ち良い。

私も異国の地で笑顔で料理を差し出されたら、笑顔で食べる努力をする人でありたい。目標。