夜空と陸とのすきま

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先をゆくもの達/神林長平

先をゆくもの達

人類が火星に進出して300年、3度の植民失敗を乗り越え、4度目の火星植民では、すべて女性だけで町を築き上げていた。この女性社会に初めての男子が産まれたときに、火星と地球をめぐる相克が始まるというお話。

いきなり<火星に男は無用>というアマゾネス宣言にわくわくして、産まれた男子はどうなるのと波瀾万丈な物語を期待しましたが…。相克というほど対立は無かった。

<意識>についてのお話だったので、『惑星ソラリス』の<ソラリスの海>のような星の集合意識体の一部になって、遙か宇宙に飛んでいけ〜とどんどん大きな物語になるので、読後は本の中に置いてけぼりにされた気分。

母の形見のゴス衣装を着る若生ちゃん、各登場人物の生涯の相棒となる自立機械<タム>の姿が、ペットみたいな猫や猛禽類だったりで想像していて楽しい。ああいう肩に乗る相棒なら欲しい。

途中で登場人物の相関がわからなくなり眠くなる。相関図を書きながら読むのがオススメです。