夜空と陸とのすきま

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太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ

 太陽の黄金の林檎

↑ハヤカワの新装版表紙は中々イケてるデザインですが、読んだのは以前の表紙の方↓

 

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帯で恐竜くんの顔がちょっとしか見えないね。ちょうど 映画『サウンド・オブ・サンダー』の原作本として売り出していた時の帯付き。この帯にも「人類滅亡」とでかでかと、同時に今読んでいる本(次に書く記事の本)のタイトルにも「人類滅亡」ってついていて、どんだけ人類滅亡好きなのよと家族からツッコミが…たまたまです!
とてもシュールなジョゼフ・ムニャーニの挿絵は新装版でも載っているとは思いますが、萩尾望都の漫画の背景みたいな感じの線が素敵。ほんとにブラッドベリといったら萩尾望都を連想します。(巻末解説にも載っていた)

22編の短編集で、SFって感じなのは表題作の「太陽の黄金の林檎」と、名作「霧笛」と、帯に載っている映画の原作「サウンド・オブ・サンダー(雷のような音)」で、この3作が目玉なのかな。

サウンド・オブ・サンダー」はタイムトラベルによる改変で時間軸が〜というお馴染みのお話。このシンプルな話を盛って盛って盛りまくってこんなに壮大なハリウッド映画にしてしまうのかと、読み終えた後にしみじみと帯を眺めました。今度レンタルで借りてみよう。

一番のお気に入りは「山のあなたに」
読み書きのできないギブス夫人の家に、学生の甥っ子が夏休みを利用して遊びに来る。長年「郵便受けに手紙が届く」状況に憧れていた夫人は、甥っ子に手紙を書くことをせがむ。そこで甥っ子は雑誌に載っていた通販会社にかたっぱしから無料カタログ請求の手紙を書き、夫人宅の郵便受けに大量の郵便物が届き出すが…というお話。
ど田舎の僻地、郵便受けの前で仁王立ちする婦人像を描いているジョゼフの挿絵が強烈で、忘れられません。↓郵便配達員を捕って喰うみたいな感じ。真似して描いてみた。

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