夜空と陸とのすきま

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猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選/シオドア・スタージョン他

猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる (竹書房文庫)

私は小さい頃から猫を飼い続け、生涯ずっと猫生活が続くであろうと思っていたのに、まさかの娘、犬猫アレルギー(目がかゆくなる、鼻水が止まらなくなる)発覚で猫を飼えず、ずいぶん長く猫を抱っこしてモフモフしていません。

せめてSFで猫に癒やされたいと思い読んでみましたが、この短編集にモフモフさせてくれる猫など皆無。適度な距離感と緊張感を保ちつつ部屋のどっかに居るような猫大集合の短編集でした。もはやツンデレですらない。まあ猫ってそういうもんだよね。猫好きを豪語する作家さん達の目はリアルでした。

地上編と宇宙編にわけた10作を収録。地上編はホラーっぽいのもあり。どの短編も愚かな人間は猫に操られる運命なのだよケケケという感じ。スタージョンの短編は数倍辛さが効いていてさすがでした。

で、宇宙編。寝落ちして読み飛ばしちゃったのもあり。ある程度読み進めないと、そのキャラが人物なのか猫なのか判断できず物語に入り込みにくいものが多かったです。宇宙空間を飛ぶ宇宙船にネズミのチェリーは生息し、猫のトムは追いかけるんだな。

一番好きだったのはアンドレノートン『猫の世界は灰色』
無口な一匹女狼で凄腕マシンオペレーターのスティーナが、デブ猫バットを相棒に幻の船<火星の女帝>を探し求める旅の話。キャラが良かったので続編があればいいのに。