夜空と陸とのすきま

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SFマガジン700【海外篇】創刊700号記念アンソロジー

SFマガジン700【海外篇】 (ハヤカワ文庫SF)

大御所SF作家の短編よりどりみどり贅沢なアンソロジー。さすがSFマガジン創刊700号記念です。ゆるいSF脳なので、ハードな物は読んではみたけど全く理解できておらず。特に初めてグレッグ・イーガンの短編を読んだけれど、一生懸命わかったふりをして読み通しました。わからないところが良いってみんな言ってたのがわかった。

印象が強かった短編の感想

 

○『危険の報酬』ロバート・シェクリイ
テレビ番組はやらせに飽きて、高額賞金をかけギャングから追われる命がけの脱出ゲームを企画。ラジオやテレビの情報は、逃げる挑戦者を追う。社会風刺が効いてるのは、味方のはずの聴衆が、挑戦者の敵に回るところ。うまい!防犯カメラやドローンを駆使すれば今にも実現されそうで怖い。

 

○『夜明けとともに霧は沈み』ジョージ・R・R・マーティン
「すだまのすみか」という惑星の、霧海に浮かぶ霧中楼閣ホテルとオーナーの物語。私は学生の頃に中国を旅して黄山にほぼ一日かけて登り、山頂のホテル(なんでこんな険しい山のてっぺんに豪華なホテル!?とかなり驚いた)に泊まったことを思い出しました。あれも雲の上のホテルだった。地球にもあるのです。

 

○『江戸の花』ブルース・スターリング
サイバーパンクの巨星が、てやんでぇなお江戸の物語を書くなんて。スターリングの『スズキマトリックス』読まなきゃな〜。

 

○『いっしょに生きよう』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
頭かち割って死んじゃったら、そこに植物が根を張り生き返るっていう話。全然違う話だけど、昔読んでた漫画『ぼくの地球を守って』の木蓮さんが歌ってるシーンが被る。

 

○『ポータルズ・ノンストップ』コニー・ウィリス

1番好きな短編は、やっぱりウィリスでした。観光地など何もないド田舎で、謎のバスツアーに乗り合わせてみたらという話。ありきたりの牧場も、情熱的なファンから見たら感涙の場所。まさに聖地巡礼。読書好きにとっても、とても心温まる話。

ぼくも未来に興味があります。あなたが未来について語った言葉が好きなんです。SFが道を照らし、科学が未来を現実なものにするという言葉が