夜空と陸とのすきま

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スローターハウス5/Slaughterhouse-Five

スローターハウス5 [Blu-ray]

カート・ヴィネガット・Jrの原作を先に読んでいたので、原作のイメージを肉付けしていくように鑑賞でき面白かったのですが、これは原作を読んでいないと(映画に説明がないので)さっぱり分からんのでは。

原作で繰り返し出てきた「So it goes(そういうものだ)」がひと言もないのが意外でした。映画ラストもトラルファマドール星(あの星は最高のSF表現!)で、めんこいポルノ女優とベイビーを抱き寄せて終わるので、あのドレスデン空爆の悲壮感漂う悲しい話というよりは、夢の中の幸せな話だったと思えてしまう。

PTSDのフラッシュバックが辛そうに見えないし、妙に物わかりが良くて親切?なドイツ兵の描写も珍しい。70年代の映画的背景も色々あるのかな。

主人公ビリーの捕虜仲間の先生が、とてもいい人だったのに、もう少しで終戦だったのにあっさり殺されるのが一番辛かった。