夜空と陸とのすきま

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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン/ピーター・トライアス

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

初めて表紙を見た時に「おぅパシフィック・リム!」とヘンな声が出てしまった「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」をようやく読み終えました。

台詞が多く、まさにハリウッド映画超大作のような展開に、すらすら読めるかと思いきや、意外に拷問シーンが多くてえぐいぞ。あと、期待したロボット大戦もそんなになくて表紙詐欺。それでも訳者の方がノリノリで書かれているのがよくわかり、漢字の当て字や関西弁などが「こうであってほしいSF、なんちゃって日本風」を上手に演出してくれて楽しめました。

共謀罪が成立する前に、本書が話題になっていましたが、読んで納得。時代設定は、もしも日本帝国とナチスが太平洋戦争で勝利していたら〜からの枢軸側に占領された80年代のアメリカですが、ああいやだ、いやだ。せっかくここまで時間をかけて自由になってきたのに、あの息苦しく生きにくそうな世界に戻りたくないですね。