夜空と陸とのすきま

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メッセージ/Arrival

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劇場で字幕版をみる。

世界中に突如現れた12機の謎の宇宙船、言語学者の主人公ルイーズは地球外生命体(ヘプタポッド)とファーストコンタクトを図り、未知なる言語を解読し、コミュニケーションを取ろうと試みる。彼らが地球に来た理由は一体何なのか。一方、宇宙船の到来により世界経済は大混乱に陥り、買い占めや暴動を起こす人々。しびれを切らした各国は総攻撃の戦闘準備に入り緊張感がたかまってゆき…というお話。

原作よりも緊張感が高くて、重厚で神秘的なサウンドの効果もあり始終ドキドキしてしまいました。

映画冒頭のルイーズの娘が誕生し、成長し、病死してしまう「あなたの人生」の記憶場面から、もう涙腺崩壊。自分も娘がいるので、これはどうしようもないのです。色々思い出すわ。

終盤、ヘプタポットの言語を解読するうちに、ある力が身についてゆくルイーズ。(言語を理解することは、その世界観と思考も理解する)それは人類を新たな段階へ導くと同時に、ルイーズの大事な人を失う(ことが予見できる)力。その力を授けるヘプタポットのようやく現れた全身像が、まるで死神のように見えるシーンなんて、ものすごく鳥肌が立ちました。うおーやられた!

テッド・チャンの200ページほどの短編を、どんな風に映像化するのかずっと楽しみにしていましたが、こんなに素晴らしい作品にしてくれて、ヴィルヌーウ監督ありがとう!これは10月公開の「ブレードランナー 2049」も期待しちゃいますよ。