最近は海外文学ばかり読んでいて、久々に手を取った佐藤亜紀の新作も大戦下のドイツが舞台という、ちっとも日本じゃない。
第二次世界大戦中ドイツ・ハンブルクのナチスなスウィングボーイズのお話。主人公達がおぼっちゃまなボンボンで、始終斜め上な目線で話を進めてくれます。重たい戦争物をマジとかだっせぇなどの軽い文体で描くこの不思議な感じ。表向きはナチ支援の工場運営、裏ではBBCラジオをから流れる音楽を、レコードに焼き闇に流すという痛快なジャズ少年達。でもハンブルクの空襲はとてもリアルな描写で、気持ち悪くもなりました。
作中で登場する音楽をYouTubeでまとめてくれてた人がいた!これを先に知っていれば、一緒に読み進められたのに〜!これから読む人はぜひ再生リストにどうぞ。
彼らはぼくに多くを求め過ぎだ。血統だの純血だの民族の一員としての自覚だのは、やりたい奴が趣味でやればいい。どこかの離れ小島でも買い取って。で、ひたすらアーリア人にアーリア人を掛け合わせてジャズとか一切聞かせずに愛国作文でも書かせて朝から晩まで運動させて歌わせて行進させていれば理想のアーリア人が作れる、というなら、どの程度のものが仕上がるか喜んで見させて貰うけど、ぼくにやれとか言わないでくれよ、もううんざりだ。
某○○会議も、離れ小島で勝手にやってほしい。ちっとも日本じゃないかと思いきや、もろ日本の今の話だった。