夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

アヘン王国潜入記/高野秀行

【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫)

高野さんビルマへ行き、反政府ゲリラの支配地でケシ栽培を手伝いアヘン中毒になるというルポタージュ。1995年のビルマの話なので今から20年も前ですが、学生だった自分も同時期に中国雲南省近くまで旅したことがあり、あの山々の先にこんな無法地帯があったのかと感慨深い思いで読みました。

ワ州山岳地帯の小さな村に7ヶ月の滞在記。温かい人柄の村人が普通に農業でやるケシ栽培、そのギャップがすごかった。とてもシュールなアジアのアルカディア。高野さんはミャンマーイザベラ・バードになっていると思います。

アヘン中毒もえらいことですが、何ヶ月もお風呂に入っていなくて、体中がシラミだらけになるという描写の方が自分には強烈でした。教訓、シラミがわいたら服を煮沸!